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PBTハロゲンフリー難燃剤参考配合

PBTハロゲンフリー難燃剤参考配合

PBT用ハロゲンフリー難燃剤の配合を最適化するには、難燃性、熱安定性、加工温度適合性、および機械特性のバランスをとることが不可欠です。以下に、主要な分析結果に基づく最適化された配合戦略を示します。

1. コア難燃剤の組み合わせ

オプション1:次亜リン酸アルミニウム + MCA(メラミンシアヌレート) + ホウ酸亜鉛

機構:

  • 次亜リン酸アルミニウム(熱安定性 > 300°C):凝縮相での炭化を促進し、ガス相で PO· ラジカルを放出して燃焼連鎖反応を中断します。
  • MCA(約300℃で分解):吸熱分解により不活性ガス(NH₃、H₂O)が放出され、可燃性ガスが希釈され、溶融滴下が抑制されます。
  • ホウ酸亜鉛(分解温度 > 300°C):ガラス質炭化物の形成を促進し、煙や残光を減らします。

推奨比率:

  • 次亜リン酸アルミニウム(10〜15%)+MCA(5〜8%)+ホウ酸亜鉛(3〜5%)。

オプション2:表面改質水酸化マグネシウム + 次亜リン酸アルミニウム + 有機ホスフィン酸エステル(例:ADP)

機構:

  • 改質水酸化マグネシウム(分解温度 約 300°C):表面処理(シラン/チタン酸塩)により分散性と熱安定性が向上し、吸熱冷却により材料温度が低下します。
  • 有機ホスフィン酸塩(例:ADP、熱安定性 > 300°C):リン-窒素系と相乗効果を発揮する、非常に効果的な気相難燃剤。

推奨比率:

  • 水酸化マグネシウム(15〜20%)+次亜リン酸アルミニウム(8〜12%)+ ADP(5〜8%)。

2. オプションの相乗効果

  • ナノクレイ/タルク(2〜3%):難燃剤の負荷を減らしながら炭化品質と機械的特性を向上させます。
  • PTFE(0.2~0.5%):液滴の燃焼を防ぐ滴下防止剤。
  • シリコンパウダー(2〜4%):高密度の炭化を促進し、難燃性と表面光沢を高めます。

3. 避けるべき組み合わせ

  • 水酸化アルミニウム: 180 ~ 200°C (PBT 処理温度 220 ~ 250°C 未満) で分解し、早期劣化を引き起こします。
  • 未改質水酸化マグネシウム: 加工中の凝集や熱分解を防ぐために表面処理が必要です。

4. パフォーマンス最適化のヒント

  • 表面処理:Mg(OH)₂とホウ酸亜鉛にシランカップリング剤を使用して、分散性と界面結合を強化します。
  • 処理温度制御: 劣化を防ぐため、難燃剤の分解温度が 250°C を超えていることを確認します。
  • 機械的特性バランス: ナノフィラー (SiO₂ など) または強化剤 (POE-g-MAH など) を使用して強度の低下を補います。

5. 例の定式化

難燃性 荷重(重量%) 関数
次亜リン酸アルミニウム 12% 主な難燃剤(凝縮相+ガス相)
MCA 6% ガス相難燃剤、煙抑制
ホウ酸亜鉛 4% 相乗的な炭化形成、煙の減少
ナノタルク 3% 炭化強化、機械的強化
PTFE 0.3% 滴り防止

6. 主要なテスト指標

  • 難燃性:UL94 V-0(1.6mm)、LOI > 35%。
  • 熱安定性: TGA 残留物 > 25% (600°C)。
  • 機械的特性: 引張強度 > 45 MPa、ノッチ付き衝撃 > 4 kJ/m²。

比率を微調整することで、PBT の全体的な性能を維持しながら、高効率のハロゲンフリー難燃性を実現できます。

More info., pls send email to lucy@taifeng-fr.com


投稿日時: 2025年7月8日